リスティング広告を利用する大半の広告主は、あくまで「日本国内」に向けた広告配信を行っていると思います。
その際に注意すべきなのは、リスティング広告の配信設定によっては、海外在住(と判定された)ユーザーに対しても広告が表示され、実際にクリックが発生し課金されてしまう可能性があるという点です。
海外ユーザーによる広告クリックには、多分にスパム的なものが含まれる恐れも。
したがって、日本国外のインターネットユーザーに対するリスティング広告配信を望まないのであれば、いわゆる「地域ターゲティング」の設定を駆使して配信除外を行う必要があります。
「Googleアドワーズ広告」で海外からのクリックを防ぐ方法
キャンペーン作成時に、広告配信の対象地域を指定できるオプション項目が表示されます。
初期状態で「日本」にチェックが入っておりますので、日本国内(47都道府県すべて)に限定して広告配信する場合には、そのままでOKです。
広告配信先として「日本」が指定されていれば、あなたの広告は日本国内のユーザー限定で配信されるというわけです。
また、国内の特定地域に限定した広告の配信を希望する場合には、詳細な対象地域を適宜指定すれば問題ありません。日本国内の地域が指定されているならば、海外に広告配信されることはありません。
ただし、見落としてはならないのが「ターゲット地域の詳細設定」の内容です。
初期設定として、「ターゲット地域にいるユーザー、ターゲット地域に関する情報を検索しているユーザー、またはターゲット地域に関心を示しているユーザー(推奨)」が選択されています。
しかし、このままの設定では海外のユーザーが「日本に関連する情報を探している」場合にも広告が表示されることになります。
海外ユーザーへのリスティング広告配信を完全に除外したいのであれば、配信ターゲットとして「ターゲット地域にいるユーザー」を選択します。
ちなみに、「ターゲット地域の詳細設定」のオプションを設定するためには、大本のキャンペーンタイプとして「標準」ではなく「すべての機能」を選択しておく必要があります。
「Yahoo!スポンサードサーチ広告」で海外からのクリックを防ぐ方法
Yahoo!スポンサードサーチ広告については、Googleアドワーズ広告とは異なり、基本的な広告配信先として「日本」を指定するオプションが存在しません。
したがって、海外ユーザーへの広告配信を避けたい場合には、詳細な地域ターゲティングの設定が必須となります。
特定地域への広告配信:地域ターゲティングで「広告配信を希望する地域」を選択
また、Googleアドワーズ広告と同じく、地域ターゲティングの「詳細設定」も忘れずに行う必要があります。
配信地域判定の初期状態は「ユーザーの所在地、または検索キーワードに含まれる地域(推奨)」ですが、これを「ユーザーの所在地」に変更します。
以上で、スポンサードサーチ広告における海外配信ブロックの設定は完了です。
「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」で海外からのクリックを防ぐ方法
YDN広告については、正直なところ海外ユーザーへ広告配信される可能性があるのか無いのか確認できていません。
自分の手元にある広告配信データを見る限り、海外ユーザーがYDN広告をクリックしたと思われる事例はゼロ件でした。
私がYDNを利用する際、地域ターゲティング設定をほぼ必須としているからなのか、そもそもYDN広告が海外在住(と判定された)ユーザーに配信される仕様になっていないためなのか、理由は不明。
ただし、少なくとも地域ターゲティングを設定していれば海外への広告配信は無い、という点については間違いないと思います。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)に関しては、地域ターゲティング関連の設定を広告グループ単位で行います。
地域一覧の「全選択」をクリックすることで、日本国内の47都道府県すべてを広告配信対象として一括指定できます。
海外ユーザーへの広告配信を「除外」する設定のデメリットについて
広告配信システムによる地域判定は完璧ではありません。実際には日本国内のユーザーであっても、システム上で海外ユーザーと識別されてしまえば、その見込み客に対しては広告が配信されません。
また、広告が配信される対象ユーザーを絞り込むことは、必然的に機会損失を招きます。
まずは現状の広告配信データを再度確認し、広告が実際に配信されている地域を把握しましょう。その上で、必要だと思うのならば海外への広告配信をブロックするのがよいと思います。
逆に、海外在住(と判別されている)ユーザーに対してコンバージョンが計測されているのならば、海外ユーザーの除外設定は控えるべきかもしれません。
そのあたりの判断は、あくまで自己責任で。