自社の商品やサービスの効果的な訴求点が思いつかない、という方に対するアドバイス。
そんなときは、とりあえず「家族愛」に訴えとけ。売れるから。
ここで改めて私が説明するまでもなく、「家族愛」というヤツが如何に万能であるか、最近の様々なニュースが実例を示してくれております。
「家族愛」で優勝会見拒否への批判を封じた白鵬関
横綱・白鵬が夏場所優勝後の記者会見を拒否した理由を、自身のブログで告白した。その対応に、感動の声が寄せられている。
当初は白鵬関の行動に対して「立場上いかがなものか」と苦言を呈する声が上がっていましたが、本人がブログで事情を説明すると批判は消えてゆきました。横綱の深い「家族愛」に対して共感する人が多かったためでしょう。言葉を変えれば、批判し難い空気が醸成されたとも言えます。
なお少し前に「入学式を欠席した担任教師」の事例がありましたが、横綱の優勝会見拒否と本質的には同じ事なのに批判されまくったのは、おそらく「家族愛」アピールが十分でなかったためと思われます。横綱と一個人という「メディア」としてのスペックの差でしょうか。
「家族愛」で解釈改憲を推進する安倍総理
皆さんが、あるいは皆さんのお子さんやお孫さんたちがその場所にいるかもしれない。その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は、本当に何もできないということでいいのでしょうか。
皆さんの大切なご家族を守るためだから解釈改憲してもいーかな? という「家族愛」アピールが強烈です。その一方、反対派の主張も、あなたのご家族を戦争に巻き込んでもいーんですか? という「家族愛」訴求。双方共に同じ武器で殴り合ってる様が実に興味深い。
そもそも感情論で決めることじゃねーだろ? という冷静なツッコミも、「家族愛」を利用した共感プッシュの応酬の前に白旗を掲げます。
「家族愛」で状況打開を図る小保方氏
STAP細胞を息子にたとえて、「生き別れた息子を捜しに行きたい」と話し、実験への参加を希望している
細胞を「家族」に例えた、ある意味なかなか高度な「家族愛」訴求の現状打破戦略であると言えます。自分の生んだ子供を捜したいという「母親の願い」を、正面切って批判できる人が果たしているのか。白鵬関の一件で日本国民の「家族愛ゲージ」が頂点に達した直後にこの話を投下してきたあたり、まさに渾身の一撃。機を見るに敏といったところでしょうか。
ご覧のように、これらのケースはいずれも「家族愛」という普遍的感情に訴えかけることで、「共感」を得ることを目的としているわけです。そして、実際にそれが効果的に機能している事実は否定できません。まさに「家族愛」は鉄板。
つまりは「家族愛」こそが、人々の「共感」を得るための最終兵器であり、あらゆる場面で通用する万能兵器なのです。
だったら広告でも使えるんじゃねーの?
……であれば、同様の手法を広告に応用しない手はない、ですよね?
家族のために旅行に行こう。
家族のために仕事を探そう。
家族のためにダイエットしよう。
家族のためにキレイになろう。
家族のためにお金を借りよう。
家族のために車を買おう。
家族のために家も買おう。
家族のためにリスティング広告出そう。
お分かりでしょうか?
あらゆる商品やサービスが、「家族のために」という大義名分によって心に刺さりまくるという事実。もちろん、「子供のために」とか「妻のために」といった類似フレーズも使用可能。まさに「家族愛」訴求による共感ゲットこそが、広告訴求におけるファイナルアンサーなのです。
追撃コンボとして、ランディングページに「赤ちゃんを抱いて微笑む母親」のイメージ画像でも差し込んどけば、もはや完璧。それだけで何か良い感じのプロモーションになったりするから不思議です。
そんなわけで、皆さんが自社の商品サービスの上手い宣伝方法に思い悩んでいるのであれば、ぜひ「家族愛」に絡めたリスティング広告を打ってみてはいかがでしょうか? 家族のために。