先日、auが鳴り物入りで発表した「au WALLET」に関する雑感。
今回の発表では、auによる「電子マネー決済」への本格進出という表面ばかりが強調されておりますが、その裏に別の狙いがあることは確実です。
すなわち、「au WALLETカード」の「決済履歴」情報の活用ですね。
1. お客様は、両社等が、お客様に係る本申込情報(本申込情報を変更した場合は、変更後の情報を含みます。)並びに本利用者に係る本カードへのチャージ実績及び決済の状況等の本カードの利用に関する情報(以下「利用履歴」といいます。)を取得することを承諾するものとします。
2. お客様は、両社等が、前項に定める情報に加えて、本利用者が本カードに設定したau ID及び当該au IDに紐付けられた会員情報(au IDに登録したメールアドレス等を含みます。以下同じとします。)(以下、併せて「本個人情報」といいます。)を、本利用者の管理、本カードに係る諸機能及び特典の提供、本カードに係る利用状況の分析、本カードに係るサービスの品質向上、両社等が本利用者にとって有益と考える情報の掲載又は配信(第14条に定める情報の配信又は通知を含みます。)等の目的で利用することを承諾するものとします。
上記の利用規約を見れば容易に推測できますが、「au WALLETカード」の決済履歴に基づいた広告の配信は間違いなく計画されていると思われます。
これはターゲティング広告として、ある意味ひとつの究極形態ではないでしょうか。
ここでの「決済履歴」にはネット上の購買行動だけでなく「リアル」も含まれており、さらに携帯端末には「年齢、性別、住所」等々の属性情報も紐付いているわけですから、ターゲティング広告の参照データとしては、もはや死角無しと言い切っても過言ではありません。
しかも、au携帯端末と「au WALLETカード」による、クロスデバイスならぬ「クロスシチュエーション」コンバージョンの計測も技術的には可能であるはずです。
ネットとリアルを横断したコンバージョン計測がいとも簡単に実現できてしまうとは。webマーケティング業界における存在感を一気に高めようとしているau恐るべし。
ああ。本来であれば、これこそ「Y!mobile(ワイモバイル)」が進むべき道なのではないでしょうか。電子マネーの決済履歴をベースにしたYDNインタレストマッチ広告の配信を夢想せずにはいられません。
ゴタゴタしてる場合じゃないですよ。