検索連動型広告でコンバージョンを獲得できるようになったら、次の段階では「費用対効果の改善」すなわち「CPAを下げる」ことが目標となります。
検索連動型広告の運用において「CPAを半減させる=費用対効果を倍増させる」と謳った方法を説明した英文記事が公開されていましたので、その手法を分かりやすく紹介。
概要としては、以下の3段階に分かれています。
(2) 費用対効果の悪い「広告」を配信停止させる
(3) 「検索クエリー」の入札キーワード採用&除外キーワード(対象外キーワード)登録
1. 費用対効果の悪い「キーワード」の入札価格を下げる
- 過去「90日間」の「キーワードレポート」を取得。「コンバージョン数」「CPA」「コンバージョン率」のデータを含めること
- CPAが目標値の「2倍」を超えるキーワードを抽出。CPA目標値が「1,000円」ならば、CPAが「2,000円」を超えるキーワードを抽出すべし
- 「CPA2倍」の条件で抽出したキーワードの中から、クリック数が「100件」以上のキーワードを抽出。クリック数でフィルタリングする理由は、ある程度の実績データがなければ、そのキーワードの真の実力が不明であるため
- 「クリック数100件」の条件で抽出したキーワードの入札価格を下げる。入札価格は「コンバージョン率×CPA目標値」の値を超えるべきではない。例えば、コンバージョン率が「2%」でCPAの目標値が「1,000円」の場合、ワンクリックに対して「20円」を超える金額を払っていては採算が取れないため、入札価格の上限は「20円」となる
簡潔に言えば、「クリック数が多く、明らかにCPAの悪いキーワードの入札価格を下げる」ということです。
ただし、入札価格を下げることで掲載順位が下落し、それによってコンバージョンの獲得件数が減ってしまう可能性がある点には注意が必要です。
CPAは「コスト」と「コンバージョン数」の双方が影響しますから、「コスト(=入札価格)」はそのままで「コンバージョン率」の改善を目指すという選択肢もあるわけです。とくに「コンバージョン率」の低さがCPAに悪影響を与えている場合、入札価格よりも先に修正すべき部分があるのかもしれません。
2. 費用対効果の悪い「広告」を配信停止させる
- 過去「90日間」の「広告レポート」を取得。「コンバージョン数」「CPA」「コンバージョン率」のデータを含めること
- クリック数が「100件」以上の広告を抽出。十分な配信データの獲得できている広告のみが対象
- 「クリック数100件」の条件で抽出した広告データを、広告グループ単位で並べる。広告グループ内でクリック数の多い広告から順に並べると効率的
- 同一の広告グループ内に存在している各広告のCPAを比較
- 最もCPAの優れた広告と比較して「2倍」を超えるCPAの広告があれば、その広告を配信停止
つまり、「クリック数が多く、明らかにCPAの悪い広告を配信停止する」ということです。
ただし、パフォーマンスが悪い理由として「広告テキスト」に問題がある場合と「リンク先のランディングページ」に問題がある場合の2通りが考えられますので、そのあたりの要因分析はすべきかと。
3.「検索クエリー」の入札キーワード採用&除外キーワード(対象外キーワード)登録
- 過去「90日間」の「検索クエリーレポート」を取得。「コンバージョン数」「CPA」「コンバージョン率」のデータを含めること
- クリック数が「100件」以上の検索クエリーを抽出。「フレーズ一致」もしくは「部分一致」で引き当てられているものが対象
- 問題のある「検索クエリー」を特定。キーワードの場合と同様に、CPAが目標値の「2倍」を超える「検索クエリー」を抽出。それらについては、「完全一致」で「除外キーワード(対象外キーワード)」登録を検討
- 優秀な「検索クエリー」を特定。CPA目標値を凌駕する「検索クエリー」がもしあれば、それらについては「完全一致」で入札キーワードに登用することを検討
クリック数「100件」については、基準値を下げてもよいかもしれません。
なお、効果の薄い「検索クエリー」でも、その原因が広告との相性にある場合も当然あります。場合によっては「除外キーワード(対象外キーワード)」登録するのではなく、別の広告グループで入札し、独自の広告と組み合わせて様子を見るという選択肢も考えられます。
まとめ
ある程度まとまった期間のデータを参照する点がポイント。
「90日間」にこだわる理由はありませんが、広告の配信状況を見ながらタイミングを見極める必要はあります。コンバージョンがそれなりに獲れてきた段階で検討すればよいのではないでしょうか。