インターネット広告は、より洗練されたターゲティング手法を絶え間なく追求することで発展を続けてきました。「検索連動型広告」や「コンテンツ連動広告」も、その例外ではありません。
そして、エンハスやユニキャンがインターネットユーザーの「コンテキスト」を重視しているように、今後はユーザーの「行動」に照準をあわせた広告配信がトレンドになってゆくはずです。
「行動ターゲティング広告」の配信という観点からすると、スマホはPC以上に効果的なデバイスであると考えられます。理由のひとつは、「個体」の識別が容易であるということ。
パソコン版の行動ターゲティング広告は、ウェブサーバーとウェブブラウザー間でやり取りされるクッキー情報をブラウザー(パソコン)に格納し、お客様が Yahoo! JAPANおよびパートナーメディアを訪れた際に、クッキー情報と行動履歴に基づいて広告を配信しております。
スマートフォン版の行動ターゲティング広告は、クッキー情報、個体・アプリケーションを識別する情報およびスマートフォン端末での行動履歴に基づいて、お客様がスマートフォン版Yahoo! JAPAN(iOS、Android対応ページ)を訪れた際に、広告を配信しております。
個体を識別する情報とは、iOSにおいてはUDID(Unique Device Identifier)、AndroidにおいてはAndroidIDを指します。アプリケーションを識別する情報とは、iOS、Androidともにアプリケーションごとに生成されたUUID(Universally Unique Identifier)を指します。
「行動ターゲティング広告」に利用されるユーザー情報をPCとスマホで比較すると、スマホでは「クッキー情報」の他にも「個体・アプリケーションを識別する情報」が利用可能です。これはすなわち、スマホはPCと比べてより正確なユーザー識別が可能であることを意味します。クッキーの受け入れを拒否したり削除したりすることは簡単ですが、UDIDやAndroidIDの削除変更は不可能な仕様になっているはず。
加えて、スマホがPCよりも「私的」なデバイスであるという点も、「行動ターゲティング広告」との相性の良さに貢献します。
複数人で共同使用されることもあるPCに対し、スマホは単一のユーザーに独占使用され、その時々の行動に密接に関連したパーソナルな利用が発生する可能性が高いことが想像できます。
「端末の識別が容易」であり、さらには「ひとつの端末をひとりのユーザーが専有的に使用する」という点を考慮すると、スマホにおける「行動ターゲティング広告」がPCを圧倒するパフォーマンスを発揮することは、ほぼ確実なのではないかと思われます。