昨日の「Yahoo!ニュース」経済トピックス一覧より。
「なぜ」という疑問詞を含んだ記事見出しが並んでいますね。
当然ながら、「クリックされやすい」という理由でこのような「見出し」が使われているわけです。人間であれば誰しもが心の奥底に持っている「理由を知りたい」という根源的な欲求に訴求する見出しテキストであるとも言えます。
そして、このような「なぜ~」系の訴求テキストは、リスティング広告の広告テキストとしても有効な場合があります。
例えば、「○○ 成功」系の検索クエリー。
これらの検索クエリーに対し、
といったタイトルや説明文のリスティング広告を表示することで、検索ユーザーの視線を惹きつけ、成功の「理由を知りたい」という気持ちを増幅させ、そのまま広告のクリックへ導くという方法があります。
そして、クリック先のランディングページにおいて、「なぜ」の答えとなる「成功の理由」と絡めて自社の商品やサービスを紹介することで、コンバージョン率を高めることができます。つまり、「成功したい」というユーザーの気持ちを最大限に利用する戦術です。「成功者の実例」や「お客様の声」といった証拠となるコンテンツがあればなおベター。
また、上記の逆パターンとしては「○○ 失敗」のような検索クエリーが挙げられます。
通常は「対象外キーワード(除外キーワード)」に設定している広告運用者が多いのかもしれません。しかし、こういった「失敗」系の検索クエリーに対し、
のようなタイトルや説明文のリスティング広告を表示することで、失敗する「理由を知りたい(そして回避したい)」という気持ちに基づく広告クリックを集めることができます。
この場合、リンク先のランディングページでは、「失敗を回避する方法」として、自社の商品やサービスを提案すればよいわけです。言い換えれば、「失敗したくない」というユーザーの気持ちを最大限に利用する戦術であると言えます。「成功」系の検索クエリーと比べると、使いどころが難しいという点については否定しませんが。
ちなみに、広告テキストの類似パターンとしては、以下のような例も挙げられます。
○○成功の秘訣とは?
○○で失敗しないために
○○で失敗したあなたへ
もう○○で失敗しない
長々と書いてきましたが、効果的な広告テキスト作成の「テクニック」を学びましょう、という話ではありません。
伝えたいことは、以下の一文に集約されます。
「○○ 成功」で検索してきたユーザーには、「○○で成功」するための情報を伝える。「○○ 失敗」で検索してきたユーザーには、「○○で失敗しない」ための情報を教える。できるだけ目を引く表現で。それだけのことです。
なお、ABテストによって、より効果的な広告テキスト(ならびにランディングページ)を追求してゆく点については、今回の事例に限りません。
以下はあくまで個人的な印象になりますが、「○○ 成功」や「○○ 失敗」系のクエリーで検索するユーザーの中には、行動に踏み出すための最後の一押しとなる「根拠」を求めている人が一定数存在するように思われます。
そういったユーザーに対し、彼らが一歩踏み出すための手助けとなる「理由」や「根拠」を適切に提示することができれば、コンバージョンにつながる確率は相当高まるのではないでしょうか。