リスティング広告の「クリック数」が想定外に減少したら確認すべき10のポイント

リスティング広告の運用において、思いがけず「クリック数」が減ってしまった場合の原因究明について解説した英文記事より。

クリック

「クリック率(CTR)」の状況別に、複数のチェックポイントが紹介されています。

「クリック率」が下がり「クリック数」も減少

そもそも「クリック数」の多寡は、「インプレッション数」と「クリック率」の2つによって決まります。それを前提に考えれば、「クリック率」&「クリック数」が連動して下がった場合の原因は「3つ」挙げられます。

(1) 広告の変更

「クリック数」が減少する直前に広告を変更していた場合、それが原因である可能性が考えられます。新しい広告が想定よりもクリックされず、結果として以前よりも「クリック数」が減少する結果となるケースです。

いきなり広告を完全移行するのではなく、現在の広告と新しい広告を並行して走らせ、両者のパフォーマンスを比較してから段階的に広告を切り替えましょう。

(2) 広告の掲載順位が下落

広告の「掲載順位」が下がることで「クリック率」が悪化し、結果的に「クリック数」も減少する可能性があります。

広告の「掲載順位」が下がる理由としては、以下が代表例。

  • 競合他社が入札価格を上げた
  • 品質スコアが悪化して広告ランクが下がった
  • あなたが入札価格を下げた

(3) 競合他社がより魅力的な広告を掲載

あなたの広告よりも「優れた(=クリックされやすい)」広告を競合他社が掲載してきたことによって、ユーザーがそちらの広告をクリックし、結果としてあなたの広告が獲得する「クリック数」が減少している場合があります。

「クリック率」に変化が見られず「クリック数」のみが減少

「クリック率」がそのままで「クリック数」だけが減少した場合、原因はひとつです。

すなわち、

広告のインプレッション数が減少した。

インプレッション数が減少する理由はいくつも考えられますが、一般的なものを挙げます。

(4) 季節要因

季節によって、ユーザーの検索傾向は変化します。季節ごとに検索数が大きく異なるキーワードに入札している場合、そのキーワードマーケットの最盛期を過ぎれば、必然的にインプレッション数は減少します。

(5) キーワードのマッチタイプの変更

キーワードのマッチタイプをより限定的なものに変更した場合、インプレッション数は減ります。「部分一致」のキーワードを配信停止し、代わりに「フレーズ一致」「完全一致」の入札に切り替えれば、当然の結果としてインプレッション数は少なくなります。

より厳密にターゲティングされたキーワード運用にはメリットも存在しますが、それによってコンバージョン数までもが減少するような場合には、入札戦略の再考が必要かもしれません。

(6) 特定のキーワードの配信停止

あるキーワードを配信停止にすれば、そのキーワードによって発生していたインプレッションは消滅し、連動してクリック数も減少します。とくに検索数の多いキーワードの場合、その影響は無視できないレベルとなります。

(7) 除外キーワード(対象外キーワード)の追加

新たに「除外キーワード(対象外キーワード)」を追加すると、それによって広告表示の一部が制限され、インプレッション数が減少します。登録する単語&フレーズの「文字列」や「マッチタイプ」については、必要とする広告インプレッションを妨げないように細心の注意が求められます。

(8) 品質スコアの悪化

品質スコアが下がることにより、広告の「掲載順位」が下落する可能性があります。もともとの掲載順位が「検索結果の1ページ目」に表示されるギリギリの位置であった場合、品質スコアの悪化によって「2ページ目」に追いやられ、インプレッション数が大幅に減少するケースもあります。

*これに関しては、既出の(2)と本質的には同じことであるとも言えます。

「クリック率」が上昇したにもかかわらず「クリック数」が減少

興味深い状況ですが、可能性はあります。

(9) 「クリック率」の向上が引き起こす「予算切れ」

「クリック率」が改善すれば、一日の広告予算の消化速度は早まります。

とくに「入札価格」を上げたことにより「クリック率」が上昇した場合、クリック単価も上がる可能性があり、その際には同じ予算で獲得できるクリック数が減少します。

そして、もしも十分な日予算が設定されていなければ、一日の半ばで広告配信が突如停止し、以後の時間帯で獲得していたクリックを逃すことになります。

(10) クリックが発生するキーワードの変化

「品質スコア」の変動や「入札価格」の変更によって、アカウント内のキーワードの力関係が影響を受け、各キーワードのインプレッション数やクリック率に変化が生じる可能性があります。

それによって、入札価格が高いキーワードのインプレッション数やクリック率が向上すれば、結果的に同じ広告予算で獲得できるクリック数は減少します。

まとめ

元記事では「クリック率の変化」ごとに分類されていますが、「クリック率に変化がない」場合の例が「クリック率が下がった」ケースに該当する等もあり得ます。したがって、全体的にこんな理由が考えられるのか、と理解しておけばいいのではないでしょうか。

  1. 広告の変更
  2. 広告の掲載順位が下落
  3. 競合他社がより魅力的な広告を掲載
  4. 季節要因
  5. キーワードのマッチタイプの変更
  6. 特定のキーワードの配信停止
  7. 除外キーワード(対象外キーワード)の追加
  8. 品質スコアの悪化
  9. 「クリック率」の向上が引き起こす「予算切れ」
  10. クリックが発生するキーワードの変化

個々のキーワードや広告といった枝葉に対する施策を積み重ねる努力は必要不可欠ですが、その目的はアカウント全体としてのパフォーマンスを「最大化&最適化」することです。

目の前の作業に拘泥するあまり、広告運用が「木を見て森を見ず」といった状況に陥らないように注意しましょう。

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